本物の空手を日本・沖縄で学びたい

―日本の伝統文化・空手をじっくりと極めてゆきたい―

〈(スイス・チューリッヒ在住 空手家) 

氏原 直喜 氏〈ウジハラ ナオキ〉

氏原 勇喜 氏〈ウジハラ ユウキ〉

スイス・チューリッヒでスイス人の女性と国際結婚をし、現地で暮らしている氏原直喜氏。そして、現在18歳の息子さん勇喜氏との対談です。

直喜氏は、「日本の心を少しでも知ってほしい」と幼い頃に柔道、剣道などの教室見学に息子さんを連れて行ったのだそうだ。「無理に押しつけずに子供が興味を持てば続ければいい」そう思っていたのだが、息子さんはどの武道にも興味を示さなかったという。ところが、たまたま日本からやってきていた空手家の講演と演武を見せに連れて行ったところ、幼い勇喜君の眼が輝いたのだという。人は人生の中で、様々な人や出来事に出会うのだが、それが自分の人生を大きく変えることになるのは後になって初めて分かることである。

こうして勇喜氏と空手との出会いはまさに人生を変えるほどの大きな出来事となった。それからは、自分で率先して道場に通い、「型」の演武の力をメキメキとつけて行った。しかし、ここで一つの壁にぶち当たる。親子で空手にのめり込めばのめり込むほど、スイスでの空手の在り方に疑問が生じてきた。「本物の空手の型を、そして精神を学びたい!」そこで、知り合いから本場沖縄の空手の師範を紹介してもらい、夏休み・冬休みを使って日本にやって来るようになった。そんな武者修行も今年で7年目だという。そうした熱意が実を結び、昨年はヨーロッパ選手権で2位の実績を残した。「今夏の東京オリンピックには間に合わなかったけど、次のオリンピックに空手が種目として残されたなら、必ず代表として出ます!」と力強く語ってくれた勇喜氏。その瞳は未来に向けてキラキラと輝いていた。そしてまた、息子さんの勇姿を温かくみつめる父親の直喜氏が嬉しそうに微笑んでいる。そんな素敵な空間を創り出してくれた二人との対談だった。

★本物の空手を追求し、いずれはヨーロッパで空手の精神を伝えてゆきたい!